南アジア地域で未発見・未調査遺跡の探検調査活動を実践してきたNPOです

設立趣旨

 古代文明の発祥地であり、仏教やヒンドゥー教など世界宗教の発祥地でもあるインドをはじめとして、南アジア諸国には古くからの優れた文化や人々の生活を偲ばせる遺跡が無数に残されています。それらの遺跡は、各国の貴重な歴史遺産であると同時に、国の枠を越えた人類共通の文化遺産として、また様々な学問研究の対象として、世界的にも貴重な存在であることは周知の通りです。

 ところが、そうした重要な文化遺産でありながら、それらの遺跡の多くは、いまだ現代科学の光が当てられないまま、人手を阻む大自然の中に放置されていることはあまり知られておりません。調査や発掘、修復が進み、観光地化されて世界的に有名になった遺跡がある一方で、研究者や予算の不足、自然の障壁、戦乱など、地域特有の様々な理由から調査が進まず、存在さえ確認できないまま捨て置かれている貴重な遺跡が各国ごとに多数あり、それらは当該国の努力だけでは調査できない状態にあるのが実状です。

 それら未解明の遺跡を、当該国の人々に代わって、あるいは協力して調査研究し、明確な文化遺産として世に導き出すことはできないか――そう考えて、私たちはこれまでもスリランカやモルディブなどで活動を続け、その結果を報告書にまとめて出版するなど、長い年月をかけて地道な努力を重ねてきました。そして、その成果の一部は、私たちの調査遺跡をスリランカ政府が保存・修復対象遺跡に組み入れたり、私たちの積み上げたデータをもとに調査研究計画を策定するといった形で実を結びつつあります。

 私たちは、こうした動きをさらに推進するため、活動母体と活動枠を広げ、現地機関との連携を強めることなどを目的に、この法人を設立しました。これは、活動人員や調査地に限界のあったこれまでの組織の枠を取り払い、広く有意の人々が集まることで活動を活発化させ、現地機関の調査研究活動とも恒常的に連携できる組織を創り上げていこうというもので、単に学問研究の発展に資するというだけでなく、民間団体による国際協力の新たな形を提示することを目指した動きであると自認しております。

 このような目的と意義を持つNPOに、ぜひ皆さまのご理解を賜り、会員としてのご加入やご支援をお願い申し上げる次第です。

平成20年2月20日
特定非営利活動法人南アジア遺跡探検調査会
理事長 岡村 隆

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