NPO-SARERS postpone this year’s expedition plan toward Thalaguruhela in Yala area, SriLanka, to the summer in 2018. We retry to discover and research the unknown ruins by new posture next year.

スリランカ・ヤラ自然保護区のジャングル風景

 

スリランカ密林遺跡探査計画を1年延期

NPO南アジア遺跡探検調査会では、昨年(2016年)に続いて今夏も予定していたスリランカ密林遺跡探査計画を、諸般の事情から1年間延期して2018年8月に改めて実施する運びとなりました。

今夏の当初計画は、昨年アプローチに失敗したヤラ自然保護区(国立公園)内のタラグルヘラ山周辺で、スリランカ政府考古局とともに未知の遺跡を探検調査するというものでしたが、①メンバー構成など日本側の態勢の不備、②スリランカ政府考古局の局長交代による混乱、などの事情が重なり、延期を余儀なくされた次第です。

来年目指すタラグルヘラ山(中央奥の山)、鉄条網を束ねて置いたような茨のブッシュが行く手を阻む

NPOでは今後の1年間で、研究会、野外研修会などを通じた隊員の養成と、現地考古局との協力態勢の再構築を計り、来年の計画の成功を期したいと考えています。

幸い、6月から開始した定期研究会(勉強会)には、探検経験のある社会人や、早大、日大、拓大、立正大、法大などの探検部員学生が集まり、今後も参加者が増えそうですし、8月末には一部理事らがコロンボを訪れて考古局との調整を計る予定ですので、見通しは明るいものと思われます。なお、研究会はどなたでも参加できますので、興味ある方はどうぞご参加ください。

【スリランカ政府考古局長の交代】

1985年以来、探査活動を共にし、当会の活動に理解のあった考古局長(元探検課長)のセーナラット・ディサナヤカ博士は、遺跡区域の指定を巡って、開発利権を持つ政治家らとの軋轢が生じるなか、5月末の閣議で解任が決定されました(教育省次官補に異動)。正当な文化財保護政策と利権絡みの開発計画との狭間で起きた解任劇で、これに対して考古局員などは一斉に反発し、デモを敢行、メディアも局長を擁護する論調が大勢でしたが、決定は覆らずに局長臨時代行として外部からP.B.マンタワラ教授(建築学者)が就任しています。

 

考古局前局長セーナラット・ディサナヤカ博士(左)。右は岡村理事長(2016年)

発見したウィラ川磨崖仏遺跡の前で、探検課長時代のセーナラット(前列左から2人目、1993年)