NPO南アジア遺跡探検調査会が8月に出す遠征探査は、いま着々と準備が進みつつあるけれど、少し以外だったのは、河岸にベースキャンプを張る予定のクンブッカン川の川幅と水量。水深はわからないが、これだけ水があるとワニもうようよいそうだし、南岸への渡渉地点が近くにあるかどうかもわからない。

約百年前に英国植民地政府の測量部隊が寺院遺跡を発見したタラグルヘラ山は、ベースキャンプ予定地から南へ直線でわずか5〜6キロ。しかしこの密林の様子を見てみると……。下生えの少ない、象や豹や熊も少ない、直進できる快適な樹林であることを祈るしかない。そんなことは、これまでにもあったためしはないけれど……。

タラグルヘラ山は標高815メートル。麓からは標高差600メートルの密林斜面を何本ものルートで上がり下りして遺跡を探査することになる。頂上部が露岩帯となっているのは写真でわかるし、見晴らしが良さそうなのも想像できるが、ここに果たして仏塔跡や他の建造物は残っているのか。また、その麓では岩窟寺院が見つかるだろうか。仏像や壁画や刻文、沐浴場や布薩堂はあるのかどうか? 発見の成否はすべて隊員たちの行動の密度にかかっている。ということは、つまりは体力勝負ということか。……遅まきながら、これから毎日2キロ泳いで体を作り直すことにしよう。(岡村隆:7月13日0:19投稿より)

2016調査地GoogleEarth